FileMaker在庫管理システムの作り方

 在庫管理システムは、数ある業務システムの中で、最も導入・定着が難しい管理システムです。「在庫を見える化したい」「在庫を削減したい」という目標を持ち、在庫管理システムの導入を進めますが、その導入・定着に失敗するケースが多くあります。

 在庫管理システムの導入・定着が難しいのは、①求める成果・業務プロセスが導入企業によって異なる点、②在庫を入出庫するシステムそのものを構築するのが難しい点、③システムが完成しても、現場のユーザーを巻き込むのが難しい点にあります。

 共同開発型トレーニングでは、専門のトレーナーが貴社のIT担当者と一緒に在庫管理システムを構築することで、FileMakerの活用ノウハウを高め、開発スキルを伝承します。

このような方にお勧めです


共同開発型トレーニングの特徴

 共同開発型トレーニングでは、プロのエンジニアと二人三脚でシステム構築を進めます。長年にわたり積み上げたシステム開発の技術ノウハウを伝承することで、より高度なシステムが作れるようになります。

疑問を解消

疑問を解消

在庫管理に必要なリレーションやスクリプトに関する疑問をマンツーマンで分かりやすく指導します。

スキルアップ

共同開発

共同開発を通じて、プロの技術を直接、学び自分で在庫管理システムの改良ができるようになります。

夜間受講

夜間受講

日中は忙しい方のため、夜間のオンライン講座も開講しています。夜間は22:30まで対応が可能です。


受講メリット

FileMakerによる在庫数量の算出手法

ファイルメーカーによる在庫数量の算出には、さまざまな手段があります。代表的な手法を3つご紹介します。なお、下記の説明はリレーションとスクリプトの使い方を把握できている方を対象に記載しています。

◆手法1 リレーションによる差分算出方式

本方式は、主にリレーションの機能を使って現在庫数を求めます。

入庫数 - 出庫数 = 在庫数

というのが基本となる計算式です。
入庫数と出庫数は、リレーションとsum関数を使って求めます。
リレーション正しく理解していれば、比較的シンプルな方式です。

留意点1: 理論在庫と合わない場合の処理方法を決めておくこと。
 本方式は、計算フィールドで在庫数を求めるため、在庫数の書き換えができません。一方、実務上では、在庫の破損や紛失により、理論在庫と実在庫が合わないことがよくあります。理論在庫と合わない場合の処理方法(赤伝レコードを発行する)などの処理方法を定めておく必要があります。

留意点2:動作速度が遅くなる。
 本方式は、非保存の計算フィールドで在庫数を算出することになります。そのためデータ数やデータ表示方法によっては、処理速度が遅くなる場合があります。特に開発のローカル環境ではよくても、実運用がクライアントサーバー環境になる場合は、速度低下が顕著になるので注意が必要です。

 一定期間経過後は、入出庫履歴のレコードを削除しても構わないという場合には、動作速度も低下し難いので、本方式を用いることができます。

◆手法2 スクリプトによる在庫数更新方式

本方式は、主にスクリプトを使って現在庫数を求めます。

基本的な考え方としては、商品マスターに現在庫数という数字フィールドを作り、

入出庫処理があった場合には、
現在庫数 + 入庫数

出荷処理があった場合には、
現在庫数 - 出庫数

と逐次、スクリプトで現在庫数を更新していく方式です。

本方式のメリットは、
・現在庫数が数字フィールドであり、動作スピードが保てること
・棚卸の際に、棚卸実数に合わせて現在庫数書き換えが出来ること
などがあげられます。

留意点1: 確定処理の機能を作る
 本方式では、入出庫処理がダブルカウントされないように処理済みレコードに確定フラッグを立てること。また、確定済みのデータは、在庫数等が変更できないように制限を掛ける必要があります。

留意点2: 確定解除やデータ削除時の在庫数の引戻処理
 もう一つの留意点としては、確定解除後やデータ削除後の在庫数の引き戻し処理が必要となる点です。引き戻し処理は、つい忘れがちになるので、注意が必要です。

◆手法3 ハイブリッド方式

ハイブリット方式は、リレーションとスクリプトを使って在庫数を記録します。

基本はリレーションによる差分算出方式と同じく、
入庫数−出庫数=在庫数で、在庫数を求めます。

しかし、このままでは速度低下の要因になるので、
月次などの際に、繰越在庫数などの計算結果をスクリプトで
数字フィールドに確定(保存)させていきます。

このように説明すると、
ハイブリッド方式が最も良いように思えますが、
確定処理や引き戻し処理など仕組みが複雑化します。

在庫管理システムに求める成果によって、
どのような在庫算出方式が良いのか、
異なってくる点が、在庫管理システムの難しいところです。

在庫管理システム 共同開発プロジェクト

 在庫管理システムは、職場の業務フローに合わせて構築し、現場に導入する必要があります。共同開発の実施に際しては、現場への円滑な導入を図るためプロジェクト形式の推進をお薦めしています。標準的なプロジェクトの推進ステップは下記の通りです。なお、推進ステップは、貴社の状況に合わせて変更することもできます。

 本プロジェクトの推進にあたっては、貴社内にリレーションとスクリプトを理解したIT担当者がいることを前提にしています。リレーションとスクリプトのご理解に不安がある場合は、先にFileMakerの基本講座をご受講ください。

ステッププロセス実施内容
ステップ1在庫管理の現状把握・管理対象となる在庫の確認(カテゴリ、アイテム数、入出庫頻度…etc)
・業務フローの確認(入庫方法、出庫方法)
・現状の在庫管理の手法・方法確認 
・在庫管理システム導入で求める成果の確認
ステップ2在庫管理システムの基本構想設計・在庫管理システムの基本コンセプト
・管理対象範囲の設定
・インターフェイスデザインの検討 
・プロジェクト推進組織とスケジュールの決定
ステップ3在庫管理プロジェクトのキックオフ・在庫管理システムの基本構想の承認
・社内メンバーへのシステム導入の目的・趣旨説明
・社内メンバーからの要望・制約事項の確認 
ステップ4システム設計(プロトタイプの制作)・商品マスターの設計
・入庫管理画面、出庫管理画面の設計
・各種、管理機能の設計
ステップ5プロトタイプの確認・レビュー・操作性の確認 
・現場スタッフの要望の実装結果の確認
・改善案の検討 
ステップ6テスト運用~本格運用スタート・テスト運用の対象品目・テスト期間の確認
・テスト後の問題点の把握と是正処置
・本格運用の移行承認

なぜ、プロジェクト型で進めるのですか?

 在庫管理の改善は、単にシステムを導入するだけでは上手くいきません。システムが完成しても、現場スタッフを巻き込むことができなれば、システム導入は失敗します。プロジェクト型で進めるのは、現場のスタッフにも在庫管理システムを導入する意義をご理解いただき、システム導入の目的を達成するためです。

在庫管理の作り方だけを学ぶことはできますか?

 プロジェクト型ではなく、在庫管理システムの作り方だけを学びたい方には、在庫管理のテンプレート「在庫見える化くん」を用いた講座を提供しています。システム構築の手法だけを学びたい方は、下記の講座をお申込みください。

オプション講座

 ファイルメーカーで作られた在庫管理システムに下記の機能を追加することができます。各機能の追加に関しては、オプション講座をご受講ください。

オプション講座について
オプション講座のみのご受講も可能です。オプション講座の価格はお問合せフォームよりお問合せください。

共同開発型トレーニングの受講方法

「在庫管理システムの作り方」をテーマにして、共同開発型トレーニングは、出張講座とオンライン講座を組み合わせ実施します。ご希望にあった学び方を選べます。また、補助制度を利用して無料でサポートを受けることもできます。

出張講座

出張講座

担当講師が貴社を訪問し、在庫管理の現状と目指すべき成果を確認します。在庫管理システムの構築方法を指導します。

オンライン講座

オンライン講座

オンライン会議システムを使って、在庫管理システムの基本構想設計や在庫管理システムのプロトタイプ製作を行います。

充実のアフターフォロー

録画

受講者専用の質問サイトを用意しています。受講後のアフターフォローも万全でFileMakerのスキルアップが図れます。

無料トライアル

無料トライアル

商工会・商工会議所等が実施する専門家派遣制度をご利用いただければ、初回のご相談・訪問を無料で実施できます。

目標到達レベル

次の機能を使って在庫管理システムが構築できることを目指します。

トレーナーに直接質問できます。書籍には書かれていない開発ノウハウをお伝えいたします。

受講者の声

「在庫管理システムの作り方」の共同開発トレーニングを受講された参加者の感想をご紹介します。

受講者の声①

QR・バーコード活用

 QRコードを使って在庫管理を進めるため講座を受講しました。FileMakerとiPadを活用することで、現場で在庫をカウントでき、QRコード付きの在庫管理ラベルをモバイルプリンターから印刷できるようになりました。個別相談にも乗っていただきスムーズにシステムが構築できました。


受講者の声②

ロケーション管理

 iBeaconを使ったロケーション管理を進めるため、弊社のプロジェクトに講師派遣をお願いしました。現場を確認していただき、ロケーションの割り振りから、iBeaconの設定・選定まで詳しいアドバイスを頂きました。リレーションに関する理解も深まり、助かりました。


受講者の声③

定期発注管理

 基幹システムからCVSデータを取り込み、発注点を下回った在庫を発注するシステムの構築をお手伝い頂きました。FileMakerで安全在庫や発注点を求める方法を詳しく説明いただき、求めていたシステムが構築できまたした。次は、メールを使った自動発注にチャレンジしたいと考えています。



トレーナー紹介

トレーナー

トレーナー内藤 敏(ないとう さとし)

現職現場イズム 代表
(中小企業診断士、toiee認定ラーニングファシリテーター) 
活動1.ファイルメーカー講座
2.キントーン講座
3.RPA管理者育成講座
4.WEB集客実践講座

実績

FileMaker研修

主な研修先

  • NHK
  • 日本経済新聞社
  • キャノン㈱
  • AIGグループ

累積受講社数:150社以上

FileMaker指導

主な職種

  • 社長、経営幹部
  • 医師、看護婦
  • 整体師、鍼灸師
  • システム担当者

累積受講人数:500人以上

システム開発

主なシステム制作

  • 生産管理システム
  • 在庫管理システム
  • 電子問診票
  • 建設業工数管理システム

etc...多数の実績があります

ファイルメーカーはVer4の時代から20年近く使っています。
個人レッスンから企業研修まで500名を超える方を指導してきました。
初心者が躓きやすいポイントを熟知しています。

「初級者にも分かりやすく」をモットーにファイルメーカーを使う力を伸ばし、会社の業務改善に役立つ人材を育成します。

補助制度のご案内

 当方のエンジニアは、商工会・商工会議所が実施するエキスパートバンクに専門家として登録しています。「エキスパートバンク」は、専門家の出張サポートを無料で受けれ公的な支援制度です。

 エキスパートバンクの専門家派遣制度を利用すれば「FileMakerを活用した在庫管理システム構築」について専門家のサポートが無料で受けられます。公的な支援制度を利用した専門家派遣であり、貴社に費用の負担はございません。
 
 補助制度を利用には、各種条件があります。専門家派遣制度の利用をご希望の場合は、お問合せフォームからご連絡ください。

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関連講座のご案内

●目的別 ファイルメーカー講座

※目的や業種別のオーダーメイド講習も可能です。まずは、お気軽にご相談ください。

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